環境問題が注目されるようになったきっかけとは
世界の環境問題の歴史を紐解く
一般的に環境問題とは、わたしたち人間が起こした行動や活動によって、地球環境に何らかの変化が生じて、それが原因で引き起こされる多様な問題のことを指します。
具体的には動物や人間の健康に害をもたらし、生態系に著しい変化が起きるなど、自然環境や社会・経済の分野にまで悪い影響を及ぼすケースもあります。環境問題が起きているのは日本国内だけではなく、世界各国でも深刻な問題となっています。環境問題で身近な事例を挙げると、地球温暖化問題や海洋プラスティックごみ問題などがあります。これらの環境問題は2000年代に入ってから深刻化してきました。
しかし、環境問題は18世紀後半の時代からすでに始まっていたとも言われています。18世紀後半の時代から19世紀末の時代には、ヨーロッパを中心に産業革命が起こりました18世紀前半頃までは農業中心の社会でしたが、機械技術の急速な進歩により農耕社会から工業社会への転換期を迎えました。
これを機に社会構造や経済的な状況にも大きな変化をもたらしたことから、産業革命と呼ばれるようになりました。産業の急速な発展により、石油や石炭などの燃料の消費が盛んになったことから、水質汚染や大気汚染の問題が深刻化するようになったのです。
日本国内の環境問題について
ところで、日本国内で初めて環境問題が深刻になったのは、いつの時代なのかご存知でしょうか。
第二次世界大戦後の高度経済成長期になると、日本国内では工業が急速に発達して都市部を中心に大規模な工場が建てられるようになりました。高度経済成長期とは主に1955年から1973年までの約20年間です。この時代には海外諸国から新しい技術が導入されるようになり、電気機械工業や自動車産業、化学工業が発展しました。
しかし、その一方で工場から排出される有害物質が増加したことが原因で、空気環境の悪化や海の水質汚染などの公害問題が深刻化しました。産業の発展とともに、わたしたち日本人の生活は豊かになりましたが、公害が社会的な問題となり、大気汚染や水質汚染の影響で、ぜんそく・アレルギー・アトピーなどの症状を引き起こすなど、事態は深刻化しています。
さらに、現代では海洋環境保全・オゾン層の破壊・酸性雨・温室効果ガス・地球温暖化など、さまざまな環境問題があります。